エルゴポックを代表する素材
ワキシングレザーができるまで

独得のムラ感と美しい発色を備え、使い込むほどに味わいと艶を深めるワキシングレザー。
ブランドを代表するこの素材はエルゴポックのなかでも唯一、
ブランド設立以来欠かすことなく使用しているレザーです。
それどころか、そもそもエルゴポックはこの無二のオリジナル素材を作るところから始まったブランド。つまり、ワキシングレザーあってこそのエルゴポックというわけです。
そんなブランドそのものともいうべきワキシングレザーはどうやって作られるのか?
このコンテンツでは、私たちとともにワキシングレザーを作り上げてきた国内屈指のタンナーの協力のもと、普段なかなか目にすることのできないその製造工程をご紹介いたします。

1.石灰漬け

水付けした原皮を石灰乳に浸し、アルカリによってコラーゲン繊維をほぐすとともに、
毛・脂肪・表皮層を分解除去します。

2.裏打ち

フレッシングマシンと呼ばれる裏打ち機を用いて、
皮の表面に付着している余分な脂肪などを取り除きます。

3.分割

スプリッティングマシンを用い、皮を銀面(表面)側と床皮(裏面)に分割します。
バッグなど製品の素材になるのは銀面側。
床皮は後に鞣して床革として使用できるほか、
食用、工業用、医療用コラーゲン製品として広く利用されます。

4.鞣し(クロム鞣し)

鞣剤を皮に浸透させコラーゲン繊維と結合させることで、耐熱性・耐久性を与えるのが鞣しです。この鞣しの工程を経て「皮」は「革」へと変貌を遂げます。
薬品でおこなうクロム鞣しはドラムのなかに皮と鞣し液を入れ、
所定の時間回転させておこないます。

5.ウエットブルー

ドラムから取り出すと“ウエットブルー”と呼ばれる革の原型へと変化していることがわかります。その後、革のなかの余分な水分を絞り、革の等級を決めるための品質検査をおこないます。
ワキシングレザーに使用されるのは等級の高い素材のみです。

6.再鞣し

通常クロム鞣しの革はこの段階で厚みを整え、染色の工程へと移ります。しかし、
ワキシングレザー用の革はここで一度クロムを抜き、植物のタンニンで再度鞣します。
これにより、繊維の奥に浸透したクロムが耐光性を実現し、
後から浸透させたタンニンが風合いある表情を生み出します。
この二重に手間のかかる工程を経て初めて、
耐久性と味わい深さを兼ね備えたワキシングレザーは生まれるのです。

7.染色

ドラムのなかに素材と染料を入れ、6〜8時間回すことで所定の色に染め上げます。
染色は温度がとても重要。だから夏と冬とでは染色時間も異なります。
ここで革のクォリティの8〜9割が決定するため、この工程は慎重におこなわれます。

8.乾燥

革のなかに染料を固着させるために乾燥させます。
ワキシングレザーは写真のように自然乾燥で時間をかけてゆっくりと乾かします。
これも上質なレザーを作るための重要な手間ひま。

9.ワックス

乾燥させた革をバイブレーターにかけてほぐした後、機械を通してワックスを塗り込みます。この作業もワキシングレザーならではの贅沢な工程。塗り込んだら一晩寝かせて浸透させます。ワックスを浸透させることで、ワキシングレザー特有のしなやかで艶のある風合いが生まれるのです。

10.塗装前のレザー

これが塗装前のワキシングレザー。この後、贅沢な手塗りによって塗装を施します。

11.手塗り(1)

ワキシングレザーの塗装は一枚一枚、熟練職人の手作業によっておこなわれます。
適量の塗料を染み込ませたボール状の布を手に持ち、軽く円を描くように塗っていきます。
力を入れずにあくまで軽く染料を乗せていくのがポイント。
これにより一枚一枚異なる革の個性が浮かび上がってくるのです。

12.手塗り(2)

丹念な手塗り塗装をおこなうことでワキシングレザー特有のムラ感が生まれます。
ただし、ムラは意図的に付けるものではありません。
革本来の表情が生むいわば天然の芸術なのです。

13.クリア塗装

最後にスプレー塗装機でクリアを吹き付け、ワキシングレザーの美しい表情と艶を際立たせます。これを4回繰り返します。

14.仕上げ乾燥

丁寧に一枚一枚吊るして塗装を完全に乾かします。

15.完成

いよいよワキシングレザーの完成です。
ご覧いただいた手間のかかる工程を経ることなしに、
独得の美しい表情と使い込むほどに味わいを増す風合いは、けっして生まれないのです。

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